こんにちは。セールスマーケティングライターの深山です。
久しぶりにTVを見ながらゆっくりと…
「さださんは曲と詞どちらを先に作るんですか?」
「僕は先に曲を作りますね」
「曲を作ってから、歌詞を作ることが多いんです」
僕はこの話を聞いて
「なるほどなー」
って思ったんです。
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セールスコピーとコンセプト
だってこれって、セールスコピーを書くときとすごく似ているんです。
歌で言えば、曲はコンセプトだと思うんです。で、歌詞はコピーそのもの。セールスコピーにおいて、コンセプトってとっても大事で、コンセプトのことをビッグアイデアって言ったりもします。
※今後コンセプトとビッグアイデアをまとめてアイデアという言い方をします。
アイデアが決まっていないのに、セールスコピーを書き出してしまうと、まとまりがなく、ボヤッとしたコピーになってしまって、結局何が言いたいのか分からないものになってしまうわけです。
で、このアイデアが中々の曲者でちょっとやそっとでは決まらないんです。だから、さだまさしさんって単純にすごいなって思うんです。
これは直接さだまさしさんに聞いたわけじゃないんで、僕の想像でしかないんですが、たぶん曲を生み出すのに相当苦労していると思うんです。
でも、その曲ができれば歌詞はスラスラ書ける、みたいな感じじゃないかと勝手に思っているわけです。
だって、僕もそうですから(笑)
ライティングよりもリサーチ
実はこれってセールスコピーも同じで、セールスコピーにおいて一番時間をかけるべきものは書くことじゃなくて…
『リサーチをしてアイデアを決めること』
なわけです。
ある有名なアメリカのセールスライターは、リサーチに8割かけると言っているくらいですから。
これは感覚的な部分なので、セールスコピーを書いたことのない人にはちょっとわかりづらいかもしれませんが、リサーチをしてアイデがバチッと決まると本当に書く作業って楽にできるんです。
よく…
「文章を書こうと思ってもまったく手が進まないんです…」
なんて相談をされることがありますが、その原因は圧倒的にリサーチ不足だったりするわけです。どんない凄腕の料理人だって、材料がショボかったら美味しい料理はできないわけです。
セールスコピーで言えば、リサーチは材料集めの作業。バチッとハマるアイデアはリサーチをだれだけやったか?に結局の所かかってしまうわけです。
アイデアの力
で、ちょっとこの文章を読んでもらえますか?
私たちの友人の友人の話だ。
仮に彼をデーブと呼ぼう。デーブはよく出張に行く。この間も、顧客との重要な打ち合わせのためアトランティックシティに出向いた。
仕事を終え、帰りの飛行機まで時間があったので、地元のバーで一杯飲むことにした。ちょうど一杯飲み終えた時、魅力的な女性が近づいてきた。
「もう一杯いかが?」
「ご馳走するわ」
ちょっと驚いたが悪い気はしない。
「いいね」
と答えた。
女性はバーコーナーに行き、飲み物を二杯持ってきた。一杯は自分がとり、一杯をデーブに指しだ出す。
デーブはお礼をいうと、グラスに口を近づけた。
記憶はそこで終わり。
いや正確には、目を覚ますまでの記憶が飛んでいるのだ。
目覚めた時、デーブはホテルの風呂の中で氷水に浸かっていた。
頭が混乱している。
デーブは慌ててあたりを見回した。
「ここはどこだ?」
「いったいなぜこんな所にいるんだろう?」
その時、一枚のメモに気づいた。
「動くな」
「救急車を呼べ」
風呂のそばの小さなテーブルの上に携帯電話が置かれていた。デーブは、かじかんだ指で不器用に991番をプッシュした。
交換手は奇妙なことに、彼が抱えた状況を熟知しているようだった。
「いいですか」
「ゆっくりを気をつけながら背中に手を回してみてください」
「腰のあたりからチューブが出ていませんか?」
デーブは不安にかられながら腰のあたりを手探りした。確かにチューブが突き出ている。
交換手は言った。
「落ち着いて聞いて下さい」
「あなたは腎臓を1つ取られたのです」
「この街で暗躍する臓器狩り組織の犯行ですね」
「いま救急車がそちらに向かっています」
「動かずに待っていてください」
どうでしたか?
この話、すごく記憶に残ると思いません?
詳細は分からないにしても、明日もう一度同じ話をしてくれてって言われてもザクッとなら話せると思うんです。
ストーリーは記憶に残りやすい
この話は、ストーリーになっているわけですが、”ストーリー”というのも1つのアイデアですよね。で、実はこういった記憶に残るアイデアを作るにはちょっとしたコツがあるんです。
それが、それぞれの頭文字をとってSUCCESS(サクセス)という原則です。今日はその5つの原則を1つずつご紹介しましょう。
記憶に残るアイデア6つの法則
1.単純に明快である
1つ目のSはSimpleです。
何をシンプルにするのか?それは、アイデアの核となる部分をできるだけシンプルにして単純明快にします。例えば、ブログやSNSの記事を書く時に…『1つの記事で伝えることは1つだけ』という原則があります。
どういうことかと言うと、1つの記事の中で色々なことを伝えすぎてしまうと読み手が混乱してしまい結局何も伝わらなくなってしまうというものです。
要するに…
『伝えたいことの優先順位を決める必要がある』
わけです。
ですが、これは短ければいいというわけじゃありませんし、インパクトが強ければいいということでもありません。例えば、ことわざのように、単純明快で重みや深みを感じさせるようなものができれば完璧です。
2.意外性がある
2つ目のUは、Unexpectedです。
あなたがどんなに良いアイデアを創ったとしても誰も見てもらえなければ、そのアイデアは存在しないのと同じです。
じゃ、その素晴らしいアイデアに関心を持ってもらうにはどうしたらいいのか?そして、そのアイデアを理解させるのに、時間がかかる場合どうやって興味を持続させればいいのか?
それには…
『相手の予測を裏切る』
必要があります。
その昔、人類は狩りをして生活をしていました。狩るのは人の方ですが、ちょっと気を抜けば人間の方が狩られてしまう可能性もあるわけです。
それに、草むらや木の陰に猛獣が隠れているかもしれません。なので、人間は常に危険と隣合わせだったわけです。
だから人間の脳には…
◆危険なもの
◆他と違うもの
に注意を向けざるを得ない性質があります。
そういった意味で、相手の予測を裏切るといことは、脳科学的にみても理にかなっていると言えますよね。
3.具体的である
3つ目のCはConcreteです。
あなたのアイデアを正しく理解してもらうためには、どうすればいいのか?それは…人間の行動や五感を通じて、アイデアをより具体的に説明する必要があります。
「でも、具体的にって言われても何をどうすればいいの?」
なんて思ったあなた。
実は一瞬でアイデアを具体的にする方法があるんです。
それは…
『数字を使う』
こと。
例えば…『二兎追うものは一兎をも得ず』のようにことわざの多くは、抽象的な真実を具体的な言葉に置き換えたものなわです。
で、このことわざにもたくさんに数字が使われています。具体的にするには数字を使う。これは覚えておいてください。
4.信頼性がある
4つ目のCはCredibleです。
あなたのアイデアを相手の記憶に焼き付けるためには、アイデア自体に信頼がなければダメです。
そのための1つの方法として…
『アイデアを相手に検証しもらう』
という方法があります。
信頼性をアップさせる方法に数字を使うこともありますが、それだけは不十分な場合があります。
例えば、こんな話があります。
1980年米大統領選で、ロナルド・レーガンとジミー・カーターが討論をした時、レーガンは統計で経済の停滞ぶりを示す代わりにひと言こう言いました。
「投票する前に、あなたの暮らしが4年前よりよりよくなったかどうか自問してください」
と。
レーガンは、このたったシンプルな質問を聴衆にぶつけることで、有権者に自ら検証してもらったといわけです。
5.感情に訴える
あなたのアイデアを心にかけてもらうためには、相手の感情を掻き立てる必要があります。ある調査によると、人は貧困地域全体よりも恵まれない1人に寄付をしたいそうです。
人間は抽象的なものに感情を抱くことはありません。
そうではなく…
『人間は人に感情を抱く』
のです。
あなたのお客さんはどういったことにイライラし、不満を抱え、、どんな不安を持っているのでしょうか?また、どんなことに共感し、感動するのでしょうか?
少し考えてみると、ヒントが隠されているはずです。
6.物語性がある
最後のSはStoryです。
せっかく良いアイデアができても、それを行動に移してもらえなければ意味がありません。
じゃ、どうすればいいのか?それが物語です。
例えば、消防士は消火活動を終える度に体験談を仲間に方向し合うそうです。そうすることで、体験知を何倍にも増やしているわけです。
ある調査によると、ある状況を頭の中にリハーサルしておくと、実際にその状況になったとき適切な行動でできるそうです。それと同じように、物語を聞くことによって迅速かつ効果的に対処するための備えができるというわけです。
さて、どうでしたか?
ちょっと長くなってしまいましたが、これが記憶を脳に焼き付けるアイデアの作り方です。
要するにいいアイデアは…
『単純明快で、意外性があり、具体的で、信頼性があって、感情に訴えかける物語』
があるかどうかなわけです。
ではでは。